**Voigtlander**

あまやどり


Bessa R3A + Voigtlander COLOR-SKOPAR 50mm F2.5

公園を歩いている時、遠雷が聞こえ雨が降り出した。
iPhoneを見ると降雨計が真っ赤に染まっていたので、一人小さなトンネルの中で「あまやどり」をすることにした。

あまやどりをしていたトンネルは二つの公園をつなぐ小さなトンネル。
ぱらぱらと降り出した雨はすぐに滝のように降り、瞬く間に公園を大きな水たまりに変え歩道を川のようにしてしまった。公園で遊んでいた大人も子供も姿を消し、おじさんや中学生の二人組も駆け込んできた。そして、しばらくすると再び雨の中へ走り出していった。

トンネルから見える景色は灰色の世界。
そんな灰色の世界を数枚撮影していると、フレームの中に一人のおばあちゃんが入って来た。
そして、突然「子供たちを見ませんでしたか」と。
そして続けて「この公園に遊びに行ってくると言っていたから。こんな大雨になっちゃって傘が無いとずぶぬれになっちゃうよ」と。
そして見ませんでしたと答えると「そうですか」と残念そうに、閉じられたままの傘をひきずりながら再び雨の中へ消えていった。おばあちゃんの足元はすでにずぶ濡れになっていた。

しばらくして雨が小雨になり空が明るくなってきたので、雨上がりの公園を撮影しながら出口へと向かうと、さっきのおばあちゃんとすれ違った。

閉じられていた傘はそのままおばあちゃんの手の中にあった。

青空が真っ黒になった時に偶然出会った素敵なお節介のお話。
雨上がりの青空と併せてすがすがしい気持ちになれた。子供たちからはありがとうの言葉は無かったかもしれないけれど、赤の他人の自分はちゃんと心の中でありがとうって言っていたよ。



おかえり

Bessa R3A + Nokton 35mm F1.2 Aspherical

よくわからないけど空の瓶で盛り上がっていた 笑
ほんと、この三人は仲が良くていつもいつも楽しそうにしている。
家族でもないのに「行ってきます」と「ただいま」が言える人がいる。
そして「おかえり」も。

独り暮らしをしている我が家に帰ったところで、この言葉は絶対に出てこない。
「行ってきます」「ただいま」とかって、家とかという場所じゃなくて、
改めて待ち人へ使う言葉なんだと感じる。

愛しい人に使うのかな?
男友達だと、久しぶりに地元に帰ってきて会っても「よっ」とか「うす元気」とかで、
離れていた時間が一気に縮まる。
きっとすこし違う関係なんだろうな「行ってきます」や「おかえり」は。



ウクレレ

Bessa R3A + Nokton 35mm f1.2 Aspherical

昔から「カタチ」が残るものが好きだった。
工作や絵とかが好きで、20歳くらいまでは絵ばかりを描いていたと思う。
そうこうしているうちに、やがて絵は写真に取って代わり、20代は写真ばかりを撮っていたと思う。
絵にしても写真にしてもグラフィックデザインにしても、取り組むことはやはり「カタチ」に残るものばかりだった。
「カタチ」には残らない音楽を聴くのは好きだった。
けれど、それに取り組んだことは無い。自分に楽器の才能がないのは小学生の授業で十分に知っていたし「カタチ」の残らないものに時間を費やすのが嫌いで、極端に言うとそこへの努力は自分の中で無駄なものと同一という認識になっていた。

でも、「カタチ」に残らないだけで、最近は「カタチ」のあるものよりずっと心に響くものなんだって感じることが出来た。薄々は気が付いていたんだけれども、やっぱり「カタチ」がないことでこそ人を惹きつける強さがあるのだと。
真面目に撮った写真を見てバカ笑いする人って居ないよね。幸せな気持ちにさせられる写真はあっても、仲間と肩組んだり笑ったりすることって写真では撮る時にはあっても撮った後には無い。「カタチ」になってしまった後では遅いんだ。
だから今は「カタチ」の残らないものの強さも手に入れたいと思った。
「カタチ」に残るものの強さ、「カタチ」に残らないものの強さ。

昨日、半衝動的に「ウクレレ」を買ってきた。
「カタチ」に残らない強さに触れるため。
ウクレレは写真の子たちと一緒に練習をする予定。独りでやるとすぐに挫折してしまいそうだけど、可愛い人達と練習すれば続けられる気がする。緑色の酒瓶を二人で見つめあって笑いあえるなんて、大人なのに子供みたいな心を持っていて可愛いよね。



さよならcombine

BESSA R3A + NOKTON 35mm F1.2 Aspherical

お気に入りのカフェ、中目黒にあるcombine。
ここが今月25日で閉店する。

このカフェは目黒川沿いにあって、コンクリートむき出しのなかにシックなソファーやテーブルがあって、そして様々な芸術書を読むことができる。その雰囲気は殺伐さと知的なものがまじりあった無国籍のようで、ともすればどこぞに革命家が潜んでいそうな独特の空間だった。
目黒川沿いということもあって、日中はやさしい光が差し込んでとても美しい空間になる。
訪れる人も多国籍のようで、あたりまえのように英語での会話も聞こえた。
ハービー山口さんにお会いしたのも、このカフェだった。
カフェに入って来たかと思うと、窓際に座っていた女性に声をかけ、自然と撮影を始めていた。

こんな素敵なカフェが無くなるなんて思わなかったよ。
本当に残念だ。



夏のあと

Voigtlander BESSA R3A + Nokton 35mm f1.2 Aspherical

大丈夫、これからやってくる冬と春を精いっぱい楽しめば、
もっと素敵な夏に会えるよ。

と、自分自身に言い聞かせる。
そして、何のロマンスも無いまま終わった夏にフタをする。



Yokota Air Base Friendship Festival IV

BESSA R3A + SUPER WIDE HELIAR 15mm F4.5 Aspherical

日本の国旗とアメリカの国旗。
自分の世代では違和感のない空間だけれども、戦争を体験した世代にはどう映るのだろう。
怒りも悲しみも苦悩も屈辱も、すべてが時間に押し流されてしまったとは思えない。
それでも1945年8月15日、日本に溢れたかえった嘆きの中で、喜びの声をあげたわずかな人々が望んだ世界の一部がこの空間あるように思う。



Yokota Air Base Friendship Festival III

BESSA R3A + Nokton 35mm f1.2 Aspherical

滑走路と出店。
もうちょっと早くオムライスのお店を見つけられていれば、
無味無感動のハンバーガーでお腹を満たすことも無かったのに。

そうそう、この辺は滑走路で、みんな好きな場所で座って食事したり昼寝していたりしています。
寝ころべば、ただただ空ばかり。

東京でも、こんなに空を感じることができるのは不思議なもんです。



Yokota Air Base Friendship Festival II

BESSA R3A + Nokton 35mm f1.2 Aspherical

入口から滑走路までは、徒歩かこのおちゃめな乗り物で移動するしかない。
ゆっくり走っているようで、実際は結構スピード出してます。

NDフィルターを忘れたので、日中は結構絞ってます。
天気があまり良くなくて良かった。

– + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
NOKTON 35mm F1.2 Aspherical については
pensimplesのEquipmentsで紹介してます。



Brown’s Field - ブラウンズフィールド – での出会い

BESSA R3A + Nokton 35mm f1.2 Aspherical

ヤギを撮影しようとしていたら、若い女性に声をかけられた。
目のぱっちりとした強い瞳と、すこし焼けた肌が印象的で、
そこにいるだけで人を引き付けるような、不思議な雰囲気をもった女性だった。
最初は高校生かと思ったけど、話を聞いているうちに大学生であり、
さらには居酒屋の経営者という肩書をもった方。

地域活性化シンポジウムの方に連れられて、ブラウンズフィールドに来たと言っていたけど
都市集中型から分散型、地産地消、持続可能な循環型の生活など興味深い話をしてくれた。
ラダックの現状(そもそもラダック自体知っていることがすごい)も知っていて、
その若さから想像できない見識の広さに驚かされた。
(さらに…)



光の色

 

 

NIKON F3 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 SL ASPHERICAL

底にいると、どんな光でも暖かく見えてしまう。

白い光、赤い光、黒い光、自分に降り注いでいる光の色は
何色なんだろう。