SIGMA DP1 Merrill Monochrome Mode
極寒の朝
凜とした空気
空気が邪魔なのだと
澄みきった空気の中で知る
SIGMA DP2 Merrill Monochrome Mode
この場所は小さいとき、親父と一緒に歩いた場所。
田舎の家から、1キロメートル以上歩いてやってくる場所だった。年に一回だけこの港で祭りがあってきていた。よく覚えている。
だけど、ここに来るまでの道が変わっていて、親父と歩いたという記憶を思い出させるためのキーワードが奪われていた。そう、記憶を思い出すためのキーワードは自分の知らないところでどんどん奪われていく。
(さらに…)
SIGMA DP2 Merrill /Monochrome Mode
母の実家は新潟県で、そこは海沿いの小さな町。町とはいえない位、今は人が少なく、高齢化と過疎化が進んでる。
子供の頃は毎年、夏と冬に帰っていた。
自分の実家は東京の片隅だけれども、今でも自分にとっての田舎はこの町になる。
それは母がよく実家のことを「田舎」と呼んでいたからにほかならない。そして、釣りをしたり、海で遊んでスイカやアイスを食べたり、夜には花火を海の向こうに見たり。きっと、最も夏休みらしい夏を過ごした場所だからだろうな。
昨年、じいちゃんが亡くなって、ばあちゃんもばあちゃんも後を追うように亡くなって、子供の頃に夏休みを過ごした家は叔父夫妻が住んでいる。
もう、そこに帰ればじいちゃんやばあちゃんが居る田舎は無い。
町の景色も町興しの小さな商業施設ができ、それ以上に廃屋らしき家が増え、変わっていく。
それでも、自分にとっての田舎はこの町になる。
親の世代では田舎と実家が同じだったのかもしれないが、自分にとってその言葉が同意ではない。