
Nikon FM3A + Voigtlander COLOR-HELIAR 75mm F2.5 SL
10年前のカーナビに導かれて進んで行った。
地図上には川を渡る橋があるはずだったのに、そこに橋はなかった。
橋のなくなったその場所はたくさんのレンゲが咲いていて、彼女は道を間違えたことに怒ることもせずに、楽しそうにレンゲを摘みはじめた。
日が暮れる少し前の出来事。

SIGMA DP2 Merrill /Monochrome Mode
母の実家は新潟県で、そこは海沿いの小さな町。町とはいえない位、今は人が少なく、高齢化と過疎化が進んでる。
子供の頃は毎年、夏と冬に帰っていた。
自分の実家は東京の片隅だけれども、今でも自分にとっての田舎はこの町になる。
それは母がよく実家のことを「田舎」と呼んでいたからにほかならない。そして、釣りをしたり、海で遊んでスイカやアイスを食べたり、夜には花火を海の向こうに見たり。きっと、最も夏休みらしい夏を過ごした場所だからだろうな。
昨年、じいちゃんが亡くなって、ばあちゃんもばあちゃんも後を追うように亡くなって、子供の頃に夏休みを過ごした家は叔父夫妻が住んでいる。
もう、そこに帰ればじいちゃんやばあちゃんが居る田舎は無い。
町の景色も町興しの小さな商業施設ができ、それ以上に廃屋らしき家が増え、変わっていく。
それでも、自分にとっての田舎はこの町になる。
親の世代では田舎と実家が同じだったのかもしれないが、自分にとってその言葉が同意ではない。