学校という場所

Leica R7 + Elmarit-R 35mm F2.8 2nd

さっそく、そのお宅を訪ねる。
そして無事に鍵を借りすることが出来たので、小学校の中へ。

小学校の頃の思い出と言えば、「席替え」は外せない。
その結果次第で、勉強をやる気になるかならないかが決まるくらい、好きな子の側の席は重要だった。
席替えの前の日は、寝る前にお祈りしていたくらい(笑

そして、目の前に広がる景色は、その思い出と似ても似つかないものだった。

わずか4つの教室があるだけのその学校。ひとつの教室に机がわずかに残る程度で、あとはガランとした空間が広がっていた。
過疎、少子化という問題がテレビの中だけのことではなく、現実の問題として目の前に広がっているように見えた。

廊下には、いくつかの写真が残っていた。
おそらく授業中の風景だろうか、生徒はわずか3人で年齢にも差があるように見える。

ここにあった風景はあまりに自分の記憶と重ならず、どういう日々か想像もできない。
自分の小学校は多い時でひと学年40人の教室が4~5もあった。友達も多く、掃除の時間も掃除用具入れのロッカーに三人で隠れたり、手を使わないで雑巾をかける方法を編み出したり、何をするときも友達がいた気がする。休み時間だって、他の学年、他のクラスと遊ぶ場所の奪い合いだ。
それとは、あまりに違う現実だ。

ただ、とても静かだった。
ペールトーンで描かれた絵のように、想い出を刺激しない教室。
府中の森のように、当時の雰囲気を残したままというのもいいけれど、役目を終えて長い時間の中をただ漂うような佇み方が心地よかった。
それなのに、ここに長居してはいけないような気がしたのは、所詮よそ者だからかな。



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